特集「棚田と鉄道」

JR篠ノ井線(観光列車「ろくもん」)と姨捨棚田(長野県千曲市:日本三大車窓)2015年秋撮影

JR篠ノ井線(観光列車「ろくもん」)と姨捨棚田(長野県千曲市:日本三大車窓)2015年秋撮影

日本の原風景である棚田の春夏秋冬の情景を描いた巨大な壁画『棚田の四季』(株式会社プレナス蔵)。作者の細川護熙氏(元総理)は、中学生の頃、どこか違う目的地へ向かっていたとき、電車を乗り過ごして姨捨まで来てしまい、駅で友達と将棋を指しながら一晩過ごしたことがあるそうです。月の夜だったらしく、知らず知らずのうちに姨捨の「田毎の月」を見ていたのでしょうか。この体験が作品にも影響を与えたのかもしれませんね。今回の特集は「棚田と鉄道」です。

※写真提供:今井英輔、信州千曲観光局、宮崎県高千穂町

せんがまち棚田とJR東海道本線[金谷~掛川間]

せんがまち棚田とJR東海道本線[ 金谷~掛川間 ]

静岡県菊川市の「千せんがまち框の棚田」、別名「上倉沢の棚田」。つなぐ棚田遺産の一つでもある。上倉沢棚田保全推進委員会が棚田の復田を始め、現在は約300枚が耕作され、住民や子どもたちも参加して行う田植えや稲刈りは地域の季節の風物詩として定着している。東海道本線の車窓から展望でき、昔から旅人にとっても美しい農村景観として親しまれてきた。
2015年5月撮影

江ノ串棚田とJR大村線[千綿~松原間]

江ノ串棚田とJR大村線[千綿~松原間]

長崎県東彼杵町里郷江ノ串の「江ノ串の棚田」。目の前に江の串漁港があり、漁港向かいの坂を500メートルほど上がると一帯は棚田になっていて大村湾を一望できる。大村線は早岐~諫早間47 ・6㎞、大村湾東岸を走る。青い列車はキハ200シーサイドライナー号(デザインは水戸岡鋭治氏率いるドーンデザイン研究所)。
2008年10月撮影

江ノ串棚田とJR大村線[千綿~松原間]

鵜川棚田とJR湖西線[北小松~近江高島間]

鵜川棚田とJR湖西線[北小松~近江高島間]

今年、全国棚田(千枚田)サミットが開催される滋賀県高島市の「鵜川の棚田」は、琵琶湖西岸に連なる比良山山系の麓に位置している。琵琶湖や、湖中の鳥居で知られる白髭神社に近く、つなぐ遺産にも選定された。湖西線は近江塩津~山科間の74・1㎞。関西と北陸を結ぶ特急サンダーバードや東北・北海道方面への貨物列車などが走つている。
2014年8月撮影

尾戸の口棚田と高千穂あまてらす鉄道[高千穂~高千穂鉄橋間]

尾戸の口棚田と高千穂あまてらす鉄道[高千穂~高千穂鉄橋間]

神話の里として知られる宮崎県高千穂町には3つの棚田百選があり、その一つ「尾お戸どの口くち棚田」はつなぐ遺産棚田の一つでもある。16ヘクタール780枚の規模で2015年に世界農業遺産に指定された。JR高千穂線は延岡~高千穂間50㎞を結んでいたが、2005年の台風14号で被災し2008年12月に廃線となった。現在は高千穂あまてらす鉄道が高千穂~高千穂鉄橋間(往復約5・1㎞)をスーパーカートによる遊具として定期運行を行っており、日本一高い鉄道橋・高千穂橋梁(高さ約105m)や尾戸の口棚田・栃又棚田を遠望することが出来る。

尾戸の口棚田と高千穂あまてらす鉄道[高千穂~高千穂鉄橋間]

初瀬棚田と近畿日本鉄道大阪線[長谷寺~榛原間]

初瀬棚田と近畿日本鉄道大阪線[長谷寺~榛原間]

奈良県桜井市にある初は瀬せの棚田は万葉集にも記され、約10ヘクタール、およそ200枚。近くの国道165号線からもその姿を見ることができる。近鉄大阪線は大阪上本町~伊勢中川間108・9㎞。伊勢中川駅から名古屋線や山田線に直通し大阪と名古屋および伊勢志摩方面を結び、多くの特急列車が運行される基幹路線の一つ。軌間1・435㎜(標準軌)。33・3‰(パーミル)の連続勾配区間もありダイナミックな走りにファンも多いという。
2011年9月撮影

初瀬棚田と近畿日本鉄道大阪線[長谷寺~榛原間]

◇ 認定NPO法人棚田ネットワーク会報誌「棚田に吹く風」125号(2022年秋号より転載)
https://tanada.or.jp/news/kaiho125/

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